井上ひさし氏プロフィール

井上 ひさし(いのうえ ひさし)氏(作家・劇作家)

 1934年(昭和9年)11月。山形県東置賜郡川西町(旧小松町)生まれ。

上智大学外国語学部フランス語科卒業。在学中から台本を手がけ、放送作家として執筆活動をスタートする。64年には、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』(共作)の台本を執筆。その後、戯曲、小説、エッセイの分野にも活動の場を広げ、直木賞をはじめ、讀賣文学賞、吉川英治文学賞、谷崎潤一郎賞、菊池寛賞、など数多くの賞を受賞。主な戯曲に『日本人のへそ』『頭痛肩こり樋口一葉』『父と暮せば』『人間合格』など。ベストセラーには小説『ブンとフン』『青葉繁れる』『吉里吉里人』『四千万歩の男』『東京セブンローズ』、また『私家版日本語文法』『コメの話』『本の運命』『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』などもある。

 こまつ座旗揚げは84年、多くの戯曲を書き下ろして旧作とあわせて上演。新国立劇場にも『紙屋町さくらホテル』他を書下ろす。戯曲『化粧』『藪原検校』『父と暮せば』などは海外公演でも高い評価を得ている。01年には「知的で民衆的な現代史を総合する創作活動」で朝日賞を受賞。04年、文化功労者に選ばれる。09年日本放送協会放送文化賞。恩賜賞日本芸術院賞を受賞。09年『ムサシ』『組曲虐殺』を書き下ろして上演。 10年「長年にわたり演劇界に多大な貢献をしてきた」ことにより読売演劇大賞 芸術栄誉賞を受賞。同年故郷山形県より山形県県民栄誉賞受賞。
 2010年4月9日永眠(75歳)。

 1987年(昭和62年)には、蔵書を生まれ故郷の川西町に寄贈して図書館「遅筆堂文庫」が開館。それと同時に生活者大学校の開校を提唱、校長としてさまざまなテーマで毎年開催し続ける。

 郷里を舞台にした小説として『下駄の上の卵』『あくる朝の蝉』(単行本では「四十一番目の少年」に収録)『イソップ株式会社』などがある。また、『本の運命』は自身が本をどう集め、どう読み、なぜ遅筆堂文庫をつくるに至ったのかが書かれていて興味深い。

☆井上(ひさし)流読み方十箇条

その一、オッと思ったら赤鉛筆
その二、索引は自分で作る
その三、本は手が記憶する
その四、本はゆっくりと読むと、速く読める
その五、目次を睨むべし
その六、大部な事典はバラバラにしよう
その七、栞(しおり)は一本とは限らない
その八、個人全集をまとめ読み
その九、ツンドクにも効用がある
その十、戯曲は配役して読む
 (『本の運命』文藝春秋)より